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海外に進出する日本企業の増加に伴い、さまざまなトラブルが報告されています。企業のグローバル化による負の象徴ともいえるこれらの諸問題は、近い将来に市場を世界に求めようとする企業にとっても決して他人事ではありません...
企業のグローバル化が加速化する現代のビジネス社会では、人とモノが国境を超えて往来する事象が、もはや当たり前という時代になってきています。今後もこの傾向が進んでいくことは確実とされ「ビジネスに国境なし」という状況にまで突き進んでいくことでしょう...
企業のグローバル化が加速化する現代のビジネス社会では、人とモノが国境を超えて往来する事象が、もはや当たり前という時代になってきています。今後もこの傾向が進んでいくことは確実とされ「ビジネスに国境なし」という状況にまで突き進んでいくことでしょう。しかしながら、ビジネスのグローバル化が進むにあたり、課題点が完全に払拭されているわけではありません。中でも、近時は、国境を越えて行きかうデータの中に個人情報が含まれている点が注目されています。表現の自由が公共の福祉に抵触しないことを前提としているように、国家間でデータのやり取りをする以上、個人のプライバシーの保護という観点から、これらを守るための規制が入ることは必然でしょう。
レクシスネクシス・ジャパンでは、データの越境移転における問題点をまとめた 【個人情報保護体制/グローバル化の設計図】というホワイトペーパーを刊行しました。【個人情報保護体制/グローバル化の設計図】の著者は、「西村あさひ法律事務所」の欧州拠点代表弁護士である石川智也氏と、同事務所参加以前に経済産業省にて知的財産関連の法整備などを担当されていた弁護士の津田麻紀子氏です。国際的なデータ流通に関する実務対応により集積した知見を元に、グローバルな視点から問題点を洗い出して分析・解説されています。
個人データの越境移転の問題については、2020年7月に欧州裁判所(CJEU)によって「シュレムス II」と呼ばれる重要な判決が下されています。この裁判は、オーストリア在住のシュレムス氏の申立てを契機とするもので、 アイルランドにある米国企業が、SNSユーザーの個人データを米国に移転する際のメカニズムの適法性が問題となりました。
CJEUは、判決文の中で米国への個人データの移転のメカニズムであったプライバシーシールドという枠組みを無効にするとともに、標準契約条項と呼ばれる契約に基づいて移転する場合にも、移転元であるEUでの個人データの保護の水準を移転先でも実質的に確保することができるか移転先の法制度を調査のうえで、必要に応じて補完的措置を講じるよう判示しています。これを踏まえ、世界中の企業が、EUからEU域外への個人データへの移転について、新たな措置を講じる必要が生じています。
2018年5月に施行された「EU一般データ保護規則(GDPR)」では、個人データの保護やその取扱いについてEU諸国内での統一した法令が定められています。以前よりも厳重な規制が課せられた内容であり、今後国際的スタンダードとなる可能性が高いといえます。外国で定められた法規制が日本を含め、各国の法制度にどのような影響を及ぼすのかは不明な部分もあります。しかし、EUと同水準の保護を確保した国への個人データの移転については認めるというGDPRの十分性認定の仕組みに照らせば、EUとのデータ流通を円滑にする観点からEUの法制を自国の法制度に取り入れる国は少なくなく、日本もそのような国の1つであるといえるでしょう。
【個人情報保護体制/グローバル化の設計図】では、次に挙げるこれらの諸問題についても、詳細な解説と対応の指針を紹介しています。
グローバル社会の発展とともに、今後は業種を問わず国内から国外へ、または国外から国内へデータ移転を行う企業が増加することは予想に難くありません。膨大な資料を一瞬で飛ばせるのですから、その作業はIT化以前の時代からは想像もできないほどの利便性があります。データの越境移転が簡単にできる現代、販路を海外に向けて自社のグローバル化を目指す企業も増加することでしょう。そのためにも、データの越境移転をめぐる諸問題と真剣に向き合う必要があります。
個人データの越境移転においては、実にさまざまな事例が報告されています。たとえば、日本本社から外国にある子会社に自社の顧客情報や従業員情報を送信するケースは今後もかなり出てくることでしょう。
データの越境移転に関しての国際統一ルールがまだ明文化されていない現状では、日本が複数の国とのビジネスを行う際には、相手国の規制政策を事前に把握しておく必要があります。
国家間でデータをやり取りすることの問題点について、すでに多国間との取引で実績のある大手グローバル企業は、すでに対応策を講じているケースが少なくありません。これから国際ビジネスに進出する新興企業、あるいは海外でのニーズがある商品を持つ企業も、データの越境移転に関する問題について充分な知見を持ち、適正な対応策を講じることが求められています。
最新情報を丹念に解説した【個人情報保護体制/グローバル化の設計図】は、データの越境移転に関する最新の問題点を2名の専門家によって重要項目ごとに明快かつわかりやすくまとめた記事です。また、諸問題の対応策のヒントが提示された充実した内容となっています。
この機会に、ぜひ【個人情報保護体制/グローバル化の設計図】をダウンロードいただき自社の業務にお役立てください。
注釈:「【個人情報保護体制 グローバル化の設計図】個人データの越境移転・データ処理の委託への対応」はLexisNexisビジネスロー・ジャーナル2021年1月号および2月号に掲載された連載記事です。解説の内容は掲載時点の情報です。