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リーガル オペレーションズとは?

企業内における法務部門では、社内弁護士による法律業務と、法務関連業務のオペレーション チームの2つの側面によって全体が構成されています。後者は、コラボレーションとワークフローの合理化を支援するためのプロセステクノロジーが中心となるビジネス的側面を持ちます。リーガル オペレーションがリーガル サービスの技術的側面を管理する一方で、弁護士は、法律問題の複雑さに応じて、独立して、あるいは外部の弁護士と連携してリーガル サービスを提供します。 

法務部門には、会社を守るという明確な目標があります。これには、知的財産を含む広範な法的課題、社外弁護士との連携による社外との法廷闘争、規制遵守への適合、会社の利害関係者への法的助言の提供などが含まれます。 

弁護士が法的サービスの提供を実践する一方で、リーガル オペレーションのチームは社内の他部門と連携して法律のビジネス面を実践する。リーガル オペレーション ディレクターは、マーケティング、財務、製品、エンジニアリング、調達、その他の部門と協力し、ビジネスを成長させるハイレベルな戦略を目指します。 リーガル オペレーションは、リーガル サービスの提供を合理化・最適化し、企業全体の効率性、費用対効果、顧客満足度を確保することを目的とした多面的な分野を網羅しています。 

リーガル オペレーションのメリット  

リーガル オペレーションの役割は、法律業務とそれを支えるビジネス オペレーションとのギャップを埋めることです。プロジェクト管理、プロセス改善、データ分析の原則などを適用することで、リーガル オペレーションの専門家は、法務チームの全体的なパフォーマンスの向上に努めます。 

このようなリーガル オペレーションを導入している法務部門には、さまざまな利点があります。リーガル オペレーション機能を活用する最大のメリットの1つは、戦略的な計画を立て、課題に備え、成功を収められることです。リスクを管理し軽減することは、リーガル オペレーション チームの主要な目標となり、その挑戦は終わることはありません。 

強固なリーガル オペレーション戦略を導入する数々のメリット: 

  • 効率性の向上: 法務業務の専門家は、既存のプロセスを分析し、改善すべき分野を特定します。ワークフローを合理化し、テクノロジーを活用し、ベストプラクティスを導入することで、法務チームの業務効率を高め、重複を減らし、無駄を最小限に抑えます。 
  • コストの最適化: データに基づく意思決定に重点を置くことで、リーガル・オペレーション チームはコスト削減の機会を特定し、経費を抑制するための戦略を実施することができます。これには、リソース配分の最適化、代替料金の活用、効果的な案件管理の実施などが含まれます。 
  • ステークホルダー サービスの向上: リーガル オペレーション担当は、社内プロセスとコミュニケーション チャネルを改善することで、優れたクライアント サービスの提供に貢献します。ステークホルダーは、透明性、予測可能性、応答性の向上により、より強固な関係と信頼を育むことができます。   
  • リスクの軽減: リーガル オペレーション チームは、法律業務に関連するリスクを軽減するための方針、手続き、統制の策定と実施において重要な役割を果たします。これには、倫理的要件や規制要件の遵守の徹底、潜在的な利益相反の管理などが含まれます。 
  • データ主導の意思決定: 法律業務に関連するデータの収集と分析を通じて、専門家は戦略的意思決定をサポートする貴重な洞察を提供することができます。このデータ主導のアプローチにより、法律事務所や法務部門は、リソースの配分、価格戦略、サービスの提供について、十分な情報に基づいた選択を行うことができます。 

リーガル オペレーションの責任  

リーガル オペレーション担当は、様々な業務に責任を持つことになります。その中には、戦略的プランニング、法務予算やその他財務の管理、ベンダーの採用と管理、プロジェクト管理、人材採用、技術選定、調達部門との協業や自発的な商品調達などが含まれます。 また、法律部門の中核には、企業全体に価値を提供する必要があり、企業法務は、組織の収益に積極的に貢献し、影響を与えるよう努めます。レベニューセンターではなくコストセンターとしての法務部にとって、これは極めて重要な点です。継続的改善への道は、機敏で柔軟な行動必要とされます。変化や成長に抵抗する企業では、これは困難なこととなるでしょう 

リーガル オペレーション 担当者の責任  

リーガル オペレーション 担当は多くの職務を担っており、その責任は組織の規模や構造によって異なります。しかし、一般的な責務には以下のようなものが考えられます: 

  • プロセスの改善: 案件の取り込みから請求書作成、請求書発行に至るまで、法務プロセスを継続的に分析・最適化し、効率性と一貫性を確保する。 
  • テクノロジー管理: 文書管理システム、電子請求プラットフォーム、リーガル・リサーチ・ツールなどのリーガル・テクノロジー・ソリューションの評価、導入、管理。 
  • 財務管理: 予算の策定およびモニタリング、財務データの分析、法務部門の財務的健全性を確保するためのコスト管理策の実施。  
  • ベンダー管理: リーガルサービスプロバイダー、社外弁護士、コンサルタント、テクノロジーベンダーなどの外部ベンダーとの関係の選択、交渉、管理を監督する。 
  • ナレッジ管理: 組織の知識を収集、整理、普及するためのシステムを開発・維持し、価値ある情報に確実にアクセスできるようにし、効果的に活用する。 
  • プロジェクト管理: プロジェクト管理の原則を法律問題に適用し、タイムリーな納品、効果的なリソース配分、予算とスケジュールの遵守を確保する。 
  • 人材管理: 人事部門と協力し、リーガル人材を惹きつけ、維持し、育成するための戦略を策定し、前向きで生産的な職場環境を醸成する。 
  • 戦略的プランニング: 戦略立案プロセスをサポートするためのデータに基づく洞察や提案を提供し、法務業務と全体的な事業目標との整合性を図る。 

これらの考えを体系化して提唱しているのは米国の非営利団体「The Corporate Legal Operations Consortium(CLOC)」で、リーガルオペレーションズのフレームワークを「法務サービスの提供にビジネスの管理手法やテクノロジーを適用すること」と定義づけました。日本では、2018年に経済産業省が、法務機能を活用した新事業の創出や企業価値の向上を目的に「国際競争力強化に向けた日本企業の法務機能の在り方研究会」を発足、2022年に「CORE8」というリーガルオペレーションズの核となる8項目を発表しています。 

リーガルテクノロジーが法務業務の成功にどのように貢献できるか  

リーガルテクノロジーの導入は、法務部門において、法令調査から案件管理、ワークフローとのコラボレーション、分析レポーティング、契約ライフサイクル管理などのあらゆる法務業務のサポートを提供します。 企業法務部門において、リーガルオペレーションズ機能の有無にかかわらず、リーガルテックは法務部が限られたリソースの中で効率よく責務を遂行するための強固な基盤作りに貢献します。 

法務部門の成熟度は、最適化、効率化、価値の最大化に向けた成長の連続性に影響を与える様々な要因によって決まるといえます。部門の規模は、その成熟度に影響を与えることもあれば、与えないこともあるでしょう。各企業の法務部門の多くは、優れている分野がある一方足りない部分を持ち合わせています。課題を認識し、調整し、成功するまでの道のりを知ることは、部門横断的な目標に沿った生産的で効率的な環境を作り出すことができます 

法律業界が進化し続けるにつれ、リーガルオペレーションの専門家の役割はますます重要になります。法務の専門知識とビジネス感覚を融合させることで、効率性、費用対効果、顧客満足度の向上に極めて重要な役割を果たし、最終的に法務組織の成功に貢献することでしょう。

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ブログ原文記事 (英語): What Is Legal Operations?