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法の全体像を理解する

By: LexisNexis Marketing

「法」を調べる場合、多くの人がまずは「法律」を思い浮かべe-Gov 法令検索や六法全書を見にいくのではないでしょうか。しかし、企業活動をめぐる規律は、法律の条文だけで完結するとは限りません。判例や、行政機関が出す通達、ガイドライン、ビジネスの世界で合理的な慣行として形成される慣習法、その他ソフトロー等が重なり合い、法を理解するには、法律に加えて周辺の規範にも視野を広げる必要があります。 

本記事では、成文法・不文法を起点に、条約、政省令や通達、条例、ソフトロー、自治的規範まで含めて「法の全体像」を整理し、これらが実務でどのように関わり、適用されるのかを解説します。 

成文法と不文法の区別 

法の存在形式は「法源」と呼ばれ、文書の形式で制定される「成文法源」と、文書では表されない「不文法源」に分けられます。日本では成文法主義が採用されてきましたが、ビジネスの世界では合理的な慣行として慣習法が形成されやすく、英米法系の国では判例法がコモンローとして重視されてきました。 

法源の分類

成文法源: 憲法、法律、命令、条例、条約など

不文法源: 慣習法、判例法、条理など

制定法の段階構造

国の法体系は憲法を頂点に法律—政令—省令といった段階構造をとり、下に降りるほど数が増えるピラミッド構造になります。政省令等の数は法律の数を上回り、重要な事項がそれらに委ねられることも少なくありません。地方自治体の条例・規則が交錯し、条約が法律に上位するかたちで関わります。

法の解釈と運用

裁判所(最高裁判所)の役割

法令への最終的な有権解釈を行います。法紛争の解決にあたり、法の欠缺を補充する機能も果たします。判例は法的拘束力の有無は議論がありますが、法として実質的に重要な意味を持ちます。

行政機関の解釈

通達や解釈基準、許認可などの審査基準、処分基準、法の運用指針などを定めます。法的拘束力を持ちませんが、実際上重要な意味を持っています。

自治的規範と約款

社会的規範

取引所規程、会計基準、業界団体の自主規制ルールなど、社会の各領域では自主的・自律的なルールがつくられ、関係者に遵守が求められます。多くは社会的・私的規範と整理される一方で、法令に根拠づけられるもの、一定のフォーマルな位置づけが与えられるもの、実際上強い拘束力をもつものもみられます。中には、慣習法として裁判所が適用する場合がある点も見逃せません。定款、労働協約、就業規則なども、法規範性が認められることがあります。

行政約款の位置づけ

約款は、多数の取引を一律に処理するための定型条項で、多数者を広範囲に拘束することから、法規範として捉える見方もあります。公益事業の約款のように、行政庁の認可を受け、相手方が締結しない自由をもたない場合には、法規範に近い機能をもつともいえます。ただし、約款は基本的には契約の枠組みで捉えるべきとする立場が有力であり、不当条項は裁判所による制限や、消費者保護のための法規制の対象となり得ます。

法の多元化と多層化

国際化の進展

条約の増加や対象分野・事項の拡大により、条約が国家と個人、個人相互の関係をも規律するようになっています。

国内の法制度においてもグローバル・スタンダードに統一化される傾向にあります。

地方分権化の進展

条例の比重が増しており、特に環境や開発規制の分野では、法令で対象外とされている事項を規制する横出し条例や、法令よりも厳しい規制を行う上乗せ条例の制定が増しています。

 

ソフトローの台頭

裁判所によるエンフォースが保証されていないにもかかわらず、拘束感をもって従われる規範が重みを持っています。上場審査基準、コーポレートガバナンスコード、融資基準や取引基準などです。

 

法の適用関係の基本原則

企業活動には商法、会社法、⾦融商品取引法、各種業法、消費者法、租税法、競争法、さらには⺠法など多様な法令が関わります。適用関係を正しく理解することが重要です。

特別法優先の原則 上位法優先の原則 条約優位の原則 商慣習の優先適用
一般法に対して特別法が優先します。商法は民法の特別法ですが、商事特別法に対しては一般法となります。 上位法が下位法に優位します。憲法が最上位に位置し、法律、政令、省令の順に階層構造をなします。
*上の図参照
条約は法律に優位します。自動執行力をもつ条約は企業活動等に直接適用されます。 商法1条2項により、商事に関し商法に定めがない事項は商慣習に従い、商慣習がないときは民法によります。

コンプライアンス支援 LexisNexis ASONE

企業活動における「法」は、法律のみならず政省令、通達、自治体条例、ガイドライン等のソフトローまで多岐にわたります。これらの法令を横断的に把握し、改正や運用の変化を継続的に追い、必要な情報を社内へ確実に展開する“運用”が、コンプライアンス体制の維持・強化に不可欠です。
LexisNexisのASONEは、情報収集から共有、規程メンテナンスまでを一体で支援し、この複雑な法令監視と社内展開を効率化する統合ソリューションです。

効率的な情報収集

官報や各省庁HP等に分散する法情報を一元化し、法改正情報や約1,700自治体の条例情報、判例、ガイドラインなどを網羅的に提供します。

迅速な情報共有

メール配信機能により、法改正や最新の法関連情報を迅速にウォッチし、必要な部門へタイムリーに展開することで、情報共有の漏れを防ぎます。

申請・届出など社内規程の管理

法令改正が関連する申請書類や申請書類や規程への反映を支援します。組織・部門ごとに「どの法令に基づいた申請手続きか」を可視化し手続きのヌケモレを防ぎ、運用負荷の軽減だけでなく組織全体のガバナンス強化を支援します。

包括的なデータベース

法令・判例に加え、最新のガイドライン、行政処分、各種レポートなどを統合したデータベースで、企業コンプライアンス業務を強力にサポートします。

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