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コンプライアンスの基本を理解する

By: LexisNexis Marketing

企業不祥事が後を絶たない背景には、制度や仕組みの問題だけでなく、経営トップを含む企業構成員一人ひとりの意識やコンプライアンスへの正確な理解の不足があります。本記事では、コンプライアンスの全体像・体制整備の考え方・不祥事発覚時の対応の流れを解説します。

はじめに:コンプライアンスとは何か

「コンプライアンス」の意味がより広がり、法令遵守だけでなく、社会の要請や期待に適切に応えることまでを含むようになって、もう20年近くになります。その背景には、社会の意識や価値観の変化があります。かつてのように企業が利益を上げていればよいという時代ではなく、企業に対して倫理性や誠実さが強く求められています。いかに優れた製品やサービスを提供していても、社会の期待に反する企業はステークホルダーから支持を得ることが難しくなっています。コンプライアンスは、企業の存続と成長を左右する経営上の最重要テーマの一つです。

コンプライアンスとは

法令遵守 社会的期待 企業倫理
法律・規則に違反しないことを基本とする 法令の範囲を超え、社会やステークホルダーからの要請や期待に誠実に応える 倫理性や誠実さの企業文化を組織全体に根付かせることで、長期的な信頼と持続的な成長を実現する

コンプライアンスが必要とされる理由と企業が取り組むべきこと

コンプライアンス違反には、業務上横領・インサイダー取引から、組織的な粉飾決算・カルテル・個⼈情報漏えい・⾷品偽装表⽰・反社会的勢⼒への関与まで多岐にわたります。こうした違反が発生した場合、法的責任はもちろん、より深刻なレピュテーションリスクにさらされます。

法的責任 レピュテーションリスク 企業存続への影響
• 刑事罰・行政処分
• 課徴金給付命令
• 損害賠償請求
• 社会的信用の低下・失墜
• 顧客・投資家の離反
• 長年の信頼の損失
• 取引先との関係悪化
• 採用・人材への影響
• 事業継続困難

不祥事の本質:個⼈か組織か

企業不祥事は、必ずしも悪意ある一部の従業員が引き起こすものではなく、むしろ企業に忠実でまじめな構成員が、過度な売上⽬標や慣⾏化した不適切な実務の中で不正⾏為に⾄ってしまうケースも多くあります。つまり、不祥事の背景には個人の問題だけでなく、不正が起こりやすい企業風土・環境・雰囲気が存在しています。

企業が取り組むべきこと

コンプライアンスへの取り組みとは、単に規程や制度を整備することではなく、不正が起こりにくい健全な企業風土を築くことです。形式的な制度整備を目的化せず、構成員一人ひとりがコンプライアンスを意識し、実践できる環境をつくることが重要です。
その前提として経営トップが違法行為・不正行為を決して許容しない、という明確な姿勢を示すことが不可欠です。

コンプライアンス体制の整備と運用における基本的な考え方

コンプライアンス体制は、企業の内部統制システム(会社の業務の適正を確保するための体制)の⼀部として位置付けられています。

  • 経営者の職務執行を監視・監督する機関として取締役(会)と監査役(会)が存在しています。
  • 経営者の下で働く構成員を監査・監督する仕組みとして内部統制システムがあります。

会社法では、大会社については必ず取締役会で内部統制システムの整備決定が義務付けられ、金商法では、上場会社では財務計算書類を適正に作成するための体制が構築されているかについての財務局長への報告が求められています。裁判例上も体制構築・運用を怠った場合、取締役・監査役の損害賠償責任を負う可能性があるとされています。

コンプライアンス体制は企業の規模や業種によって大きく異なります。まずは自社において不正が起こる原因や構造を把握することが重要です。近年ではグループ会社を含めた体制整備の必要性も高まっています。グループ全体での体制を整える際には、コントロールの難しさや業種の違いによるリスク把握の困難さなど複雑さに留意しつつ設計する必要があります。

基本⽅針の決定
経営トップがコンプライアンス意識改革を行い、その基本⽅針を社内外に向けて宣言することが必要です。

コンプライアンスマニュアルの整備と社内研修
基本方針を具体化した行動基準やマニュアルを作成し、継続的な教育‧研修を通じて社内への浸透を図ります。

組織体制の整備
独立したコンプライアンス部門を設置し、リスク分析・マニュアル作成・組織体制の整備・運用状況の監視などを行う組織体制を構築します。

職務分掌・チェック体制
リスクコントロールのため、職務分掌の明確化や、多重チェックを行う仕組みを整備し、経営者からのリスク対応命令・指示が適切に実行されるための方針や手続きを定めます。

内部通報制度の構築
企業のコンプライアンスの相談窓口の1つとして、通常の職務報告ルートとは別に直接通報できる仕組みを設け、コンプライアンス違反の早期発見を図ります。

モニタリング機関の設置と継続的改善
体制が適切に機能しているかモニタリングする機関を社内に設け、不十分な点があれば経営者や現場に報告・指導を行います。常に検証を繰り返し、改善していくことが重要です。

コンプライアンス違反が発生・発覚した場合の対応

どれだけ体制を整備していても、不祥事は起こり得るものです。平時から違反発生時の対応方針を準備しておくことが、被害を最小化する上で必要不可欠となります。

社内での対応 社外での対応

不祥事発覚の端緒には、内部通報・内部監査・行政調査・捜査機関による捜査な様々なものがあります。外部で先に発覚した場合、十分な社内調査を行う前にマスコミ等社外対応に追われ、企業のダメージが大きくなるリスクがあります。

  • 初期調査:不祥事の有無・内容を把握し、調査方針を定めます。
  • 本格調査:客観的証拠の収集と関係者へのヒアリングを行います。必要に応じて第三者委員会を設置します。
  • 報告書作成と再発防止策:調査結果を踏まえ、再発防止策を講じ、場合によっては人事処分、民事責任追及、刑事告発も検討します。

監督当局・捜査機関への対応に加え、広報対応が極めて重要です。公表の仕方次第でレピュテーションの低下・失墜の軽度が変わります。

上場会社では金商法の開示書類や金融商品取引所の適時開示ルール上、公表義務が生じるものもありますが、義務の有無に関わらず「隠蔽」は更なるレピュテーションリスクのリスクがあります。

企業としては、保身的に隠すのではなく、平時から危機発生時の対応を準備し、不祥事発覚時には適切かつ迅速な対応をとることが、長期的な信頼回復の観点からも最も重要です。

LexisNexis ASONE によるコンプライアンス体制の構築・運用支援

企業のコンプライアンス体制では、法改正の把握・社内規程への反映・遵守状況の確認・教育研修・リスク診断までを一連の流れとして運用することが重要です。LexisNexis ASONE は、こうした実務を個別に切り分けるのではなく、複数のモジュールによって企業コンプライアンスをワンストップで支援するプラットフォームとして構成されています。

  法政策情報


法令の制定・改正情報に加え、法案・パブコメ・各省庁のガイドライン・処分情報を包括的に収録。官報掲載後に収録され、アラートメールで配信します。

  業務規程コネクト


法改正情報を社内規程・マニュアルの見直しにつなげる仕組みです。「法改正の把握」から「社内ルールへの反映」までを橋渡しし、規程の電子化・共通フォーマット化・統一管理を実現します。

  ワークフロー


社内の法令遵守状況を可視化するモジュールです。1,200以上のチェックシートを収録し、各部門・事業所ごとの遵守状況をシステム上で一元管理します。更に、ダッシュボードで達成状況を「見える化」します。

   エデュケーション


体制を「作る」だけでなく「浸透させる」ための支援ツールとして、独占禁止法・個人情報・内部通報・ハラスメント・経済安全保障など幅広いテーマの研修コンテンツを提供しています。

  コンプライアンスサーベイ


自社・グループ全体のリスク水準を把握するための分析ツールです。サーベイの自動実行・集計、業界標準や他社との比較、経年変化の確認により、体制の有効性を継続的に測定・改善できます。

  コンサルティング


法令監視体制の構築・コンプライアンスマニュアル作成・従業員向け教育コンテンツ制作など、体制整備から運用まで専門家が伴走。システム提供にとどまらない実践的サポートを提供します。

LexisNexis ASONE は、法改正対応・規程整備・遵守確認・教育・測定・改善までをPDCAで回すための基盤として、企業のコンプライアンス体制を構築から運用・改善まで一貫して支援するソリューションです。

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