法律事務所のリーダーたちは、法律分野向けに開発されたAIツールであるリーガルAIの採用を増やしているが、いかなる画期的な技術もそうであるように、克服しなければならない懐疑的な見方も存在しています。 

“リーガルAIへの信頼構築"は、正確性やセキュリティの問題から、法律サービスを提供するために事務所がどのようにAIを使用しているかをクライアントが納得できるようにすることまで、さまざまな分野での懸念を解決することを意味しています。 

リーガルAIツールに対する弁護士とクライアントの信頼を築き、弁護士がより迅速かつスマートに仕事をこなせるような新しいワークフローへの扉を開くために、企業ができる簡単なことがいくつかあります。重要なステップの一つは、リーガルAIツールの使用による正確性と機密性に関する懸念に積極的に対処することです。 

幻覚的な回答を避ける 

ChatGPTが提供する検索結果を、様々な判例引用の正確性を検証することなく、誤って信頼してしまった弁護士の不名誉にも見出しを飾ったニュース記事に象徴されるように、リーガルリサーチにオープンウェブのAIツールを使用することに内在するリスクについては、誰もが耳にしたことがあるでしょう。このような話から、当然ながら、一部の弁護士は、Gen AI (生成AI) が「幻覚」のような回答を生み出す可能性を懸念しています。 

最近のGen AIの報告書「Gen AI in Law: A Guide to Building Trust」によると、AIが生成したコンテンツの正確性に対する信頼性を高めることは、弁護士が法的調査に対する回答を信頼する上で極めて重要です。そこで、専門的なリーガルAIツールと各弁護士の法的洞察力が、信頼ャップを埋めるのに役立つと考えます。 

「当社は、回答が適切な出典の引用と参照で生成されることを保証しています」と、LexisNexisの最高製品責任者であるジェフ・ファイファーは述べています。「そうすることで、個人は答えの質を信頼し、その答えが適切な法的権威に裏打ちされたものであることを信じることができます。 」

例えば、Lexis+ AIは、プロンプトを理解し最適化する基礎となる法律コンテンツ・データベースを根拠として回答を生成します。このツールは、関連する出典コンテンツを検索してランク付けし、その権威ある資料に基づいて回答を生成します。参考文献はテキストに含まれているため、ユーザーは自分で出典を確認することができます。 

データのセキュリティと機密性の確保 

法律事務所にとってもう一つの重要な検討事項は、Gen AIソリューションが厳格なデータ・セキュリティ・プロトコルに従い、クライアントの守秘義務要件をすべて守っていることを確認することです。これは、Gen AIレポートでも述べられているように、第三者のGen AIプロバイダーとの契約において、法律事務所のデータがプロバイダーと共有されないようにすることを意味する。 

Gen AIはデータ集約型のツールです。「法律事務所にとって、ツールに何を与えるか、そしてツールに機密データや専有データを与え、それが他のクライアントや事務所内外の下流ユーザーによって再利用されないようにするにはどうすればいいか、ということが本当に課題なのです」とSteptoeのパートナー、トッド・コーエンは「それが一番難しいところです」と述べています。 

契約からデータ共有条項が削除されていることを確認することで、機密保持の安心感を得ることができる一方、商用グレードのクラウドインフラストラクチャの改善により、Gen AIを使用することは、初期の世代のテクノロジーよりもはるかに安全になっています。 

例えば、当社は、マイクロソフトのAI監視機能の一部をオプトアウトすることで、OpenAIが顧客の機密データにアクセスしたり保持したりできないようにし、顧客のデータセキュリティとプライバシーを優先しています。 

「私たちは顧客と時間をかけて話し合い、技術的なインフラや、顧客体験の安全性と機密性を確保するために私たちが講じた広範な措置について理解してもらうようにしています」とファイファーはの述べています。 

法律事務所はまた、テクノロジーの使用方法を規定するポリシーやガイドラインを設けることで、リーガルAIツールを自信を持って使用することができます。守秘義務を侵害する可能性のある顧客情報を入力しないことはもちろんのこと、これらのポリシーは、弁護士が提供されるコンテンツを事実確認することを義務付けるべきです。これは、他のリーガル・リサーチ・ツールを使用する場合と何ら変わりはなく、弁護士が判例を引用する場合、不正行為を犯すリスクを避けたいのであれば、その内容を読み、理解しなければなりません。 

本レポートでは、リーガルAIを採用する法律事務所や企業が、この新しいテクノロジーの活用においてどのように信頼を築いているのかを探るため、法曹界の様々なAIリーダーにインタビューを行いました。正確性と機密性に関する懸念に対処することの重要性に焦点を当てた本ブログに加え、レポートの他のセクションは以下の通りです： 

• Gen AIへの信頼を構築する主な要因
• 信頼構築のステップ  
• ワークフロー、スキル、カルチャーの再考

全レポートはこちらから (英語) : Gen AI in Law: A Guide to Building Trust. 

ブログ原文記事 (英語): Trust me I’m a legal AI: Addressing Accuracy and Confidentiality Concerns